翡翠(ひすい)宝石一覧
翡翠(ひすい)宝石基礎知識
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翡翠(ヒスイ)の歴史・雑学
<中国における翡翠の歴史>
先ず、翡翠についての基礎知識ですが、一般的に翡翠は英語でjade(ジェイド)と呼ばれますが、これは、まったく種類の異なった2種類の鉱物を、同じ翡翠(ジェイド)という名前で呼んでいます。一つは「硬玉」と呼ばれるもので、英語ではjedite(ジェダイド)です。もう一つは「軟玉」と呼ばれ、英語ではneflite(ネフライト)です。両者は見た目がよく似ているので、同じく「翡翠」と呼ばれていますが、まったく異なる鉱物です。両方の鉱物の名前の混同には、歴史的な背景があります。古来中国において、色の美しい石は総称されて「玉」と呼ばれていましたが、中でも尊ばれたものは、現在の「軟玉」(ネフライト)で、 「玉」といえば「軟玉」を意味していました。時代は移り変わり、 古来色の美しい石(宝石)を表す言葉は「玉」でしたが、時代を経るにしたがい、 羽の美しさからカワセミを表す「翡翠」という言葉でも呼ばれるようになりました。そしてさらに時代は変わり、18世紀頃にミャンマーから「硬玉」(ジェダイド)が中国に輸入されるようになると、最も尊ばれる対象が「軟玉」から「硬玉」にとって変わられるようになりました。上記のように、時代を変遷するにしたがって、「言葉の意味合い」や「嗜好性」が変化することによって、異なる鉱物の呼称が混同されたままで、今に至っていると考えられています。現在では、宝石として価値のある翡翠は「硬玉」(ジェダイド)で、「軟玉」(ネフライト)は価値が低いものであるとされています。*以下当店の「翡翠」は「硬玉ジェダイド」を意味します。
<日本における翡翠の歴史>
日本における翡翠の歴史は古く、縄文時代にさかのぼるといわれ、日本各地の遺跡から副葬品として、数多く発掘されています。また、天皇家の象徴である三種の神器の一つ、八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)は、翡翠で作られているといわれています。このように、日本国内で多くの翡翠の出土品があったにもかかわらず、以前の学会ではこれらの翡翠は中国を経由したミャンマー産のものだと考えられていました。しかし、昭和の初期に新潟県糸魚川で翡翠の鉱山が再発見されてから、現在では 糸魚川産の翡翠であると訂正されました。それゆえに、日本の歴史において、国内の翡翠の産地が忘れ去られていたために、古墳時代以降の翡翠文化が花開くことはありませんでしたが、長い期間採掘されなかったゆえに、皮肉にも手付かずの翡翠鉱脈が残されています。現在では、国の天然記念物に指定され、国内での翡翠の採掘は一切禁止されています。
<世界の翡翠産出国>
ミャンマー、日本以外の翡翠の産地としては、グアテマラ、ロシア、アメリカカリフォルニア、 などが挙げられますが、現在、商業ベースとして世界中に流通している翡翠のほとんどは全ては、ミャンマー産のものです。
<翡翠の処理について>
ミャンマー翡翠最大の消費国である中国では、「無処理石」を表す言葉は、 「A貨」と表現しています。これは、翡翠の内部にあるインクルージョンの色を抜くために、酸の中に浸して漂白処理を行われた翡翠(Breach処理のB)「B貨」と区別するために、こう呼ばれました。
A貨----無処理
B貨----漂白及び樹脂含浸処理
上記以外には、多孔質の結晶構造を利用して、翡翠に染料を吸収させる「染め」といわれる処理や、
色つきのナイロン樹脂を低品質の翡翠の上にコーティングした「巻き」といわれる処理、
あるいは、翡翠の粉末を樹脂で練り固めて成型した、「煉り」といわれる処理などがあり、これらを総称して、C貨と呼ばれることもあります。処理翡翠(B貨、C貨)についての商品価値は、当店ではお取り扱いがないので何とも申し上げられませんが、ご購入の際には十分にお調べになって、ご購入されることをおススメいたします。
<〜翡翠について>
鉱物の中で価値の低いものを、高価な貴石の名前を借りて、名づけられる場合があります。「〜ダイヤモンド」とか「〜エメラルド」と同じように「〜翡翠」と呼ばれるものもそうですが、まったく翡翠と異なった鉱物で、本家の翡翠以上に高価なものはありません。消費者の方がこのことを理解した上でお求めになられるのなら、問題はありませんが、本翡翠を購入したつもりで、間違ってお求めになられる場合も多いので、ご購入の際は十分な注意が必要です。
・台湾翡翠 --> ネフライト
・オーストラリア翡翠 --> クリソプレース
・インド翡翠 --> アベンチュリンクオーツ
・カナダ翡翠 --> ネフライト
・アメリカン翡翠 --> アイドクレーズ
・アフリカ翡翠 --> ハイドログロシュラライト
・韓国翡翠 --> 蛇紋岩
その他、間違えられやすいもの、
・カルセドニー
・染色クンツァイト