翡翠(ひすい)宝石一覧
翡翠(ひすい)宝石基礎知識
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翡翠(ヒスイ)の魅力とランク
<他の宝石との比較>
翡翠はおもにアジアで好まれる宝石です。 透明度が高く、きらめきに優れたほかの宝石と比較すると、 翡翠は派手さにおいては、少し見劣りする感じがします。ダイヤモンドを初めとする、ファセットカットを施された 宝石は、テーブル面から取り込まれた光が、ルース内部で 乱反射して、キラメキとして視覚に認識されます。それゆえに、洋の東西を問わず、どの国の人が見ても 美しいと感じることができる、判りやすい宝石だといえると 思います。
<アジアを代表する宝石>
一方翡翠は、商業ベースに乗る量と品質を誇れるものは、 ミャンマー産以外になく、世界の流通量のほとんどを占めています。 そして、何億年の眠りから覚めた翡翠は、掘り出された瞬間から そのほとんどは、一方的に東の方向に動こうとします。 何故ならばその愛好者のほとんどが、中国、韓国、日本を始めとする アジアの国の人々に限定されるからです。このことは翡翠の魅力を考える上で、大きなヒントを与えてくれます。 それは、文化的な背景や、地理的、年代的要因が異なるアジアの国々において、少なくとも「翡翠」という鉱物を、美しく魅力に溢れたものであるということを認識できる、共通した「美意識」が存在しているという事実です。学術的なことはわかりませんが、 いち翡翠愛好者としての立場から申しますと、確かに翡翠には ほかの鉱物にない、なにか日本人としての深い心の部分、 今の言葉で申しますと、「DNA」に訴えかけてくるような特別な魅力があるように思います。 翡翠を愛好する他のアジアの人々も同じような魅力を感じているのかも 知れませんね。
<和のこころ>
また、実際に翡翠の魅力を語る上において重要なことは、その「亜透明感」にあると思います。 これは完璧な透明度を誇るほかの宝石には、あってはならないもので、 透明度を損なう内部の不純物は、本来はインクルージョンとして、 評価の下がる対象になりますが、翡翠の場合はどんなにキメの細かい品質の高いものでも、入り組んだ結晶構造によって、完璧な透明度というものはありません。逆に言えば、その不透明感こそ翡翠のもつ大きな魅力の一つだといえると思います。古来より日本では、ハッキリとしないものに美意識を見出すことがあります。 いわゆる「わび」「さび」といわれる感覚で、ある一定の年齢に達すると、特に学ばなくとも、日本人ならば誰でも自然と体感できる感覚ですが、言語化はしずらいですが、翡翠の魅力を感じる意識においては、この「わび」「さび」に通じる美意識が働いているように思います。皆さまは、どのようにお感じになられますでしょうか?
<翡翠のランク>
翡翠は鉱山から掘り出されてきた時点では、その多くのものの表面は、普通の岩石のような表皮に覆われています。 稀に内部のカラーが表面に露出しているものもありますが、ほとんどが不透明な表皮 に覆われているために、内部の様子を窺 い知ることができません。 翡翠取引のファーストステップでは、内部を確認できないこの状態の原石に、長年培ってきた経験と勘を頼りに、値段が付けられます。 内部が確認できない以上、売り手、買い手ともに不確実性が高い取引形態と云わざるを得ず、翡翠の最終消費地である日本国内の販売店における、翡翠の値段の不透明さ、(ばらつき)は、そもそもファーストステップの成否が、少なからず影響しているといっても過言ではありません。
しかしながら、現地で長年翡翠を取り扱っている業者は、’ざっくり’とですが外皮の様子から内部が推察できるために、その用途に応じた加工業者の手に
「何故かしら」うまく渡って行くようです。宝飾品として加工される場合、翡翠原石は大きく分けて、
@カボションルースとして加工されるもの
Aくりぬきバングルとして加工されるもの
Bペンダント等のカービングとされるもの
Cビーズとして加工されるもの
に分けられます。もちろん、各々のカテゴリの中で、何ランクもの階層に分かれているので、
宝飾品の種類によって一概に翡翠の価値を判断することはできませんが、
大雑把にいえば、品質の特に優れたものは@のルースとして石取りされ、
次に、比較的大きな原石でキメが細かく、クラックの少ないものはAのくりぬきバングルに加工されることが多いです。
Aと同等もしくは、さらに質感が優れていて、小さく石取りされたものは、Bのカービングやくりぬきリングに加工されることが多いです。
そして、Cのビーズに付いて云えば、一般的には若干品質の劣る
翡翠で加工される場合がほとんどですが、稀にAのくりぬきバングルや
Bのカービングクラスの品質の翡翠で作成されることがありますが、その場合はかなり高額なものになります。
そして、さらに価値の低いものは、 D比較的大型の置物のカービングとして加工されるもの、
Eタイル等の建設資材として加工されるものがあります。
専門業者において、それぞれ取り扱う翡翠のレベルがちがいますので、上記のような大体のクラスを念頭において、お求めになられるとよいかと思います。